【ワシントン時事】トランプ米大統領は27日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉をめぐり、メキシコとの2国間協議が大筋合意に達したと発表した。最大の焦点だった自動車貿易の関税をゼロにする条件については、域内での部材調達比率を引き上げることで決着した。メキシコなどに進出する日本の自動車各社は、北米での生産戦略の見直しを迫られそうだ。
今後はカナダを含めた3カ国で最終決着できるかが焦点となる。トランプ氏は記者団の前でメキシコのペニャニエト大統領と電話会談し、「米製造業や農家にとって素晴らしい合意だ」と語った。
一方で、3カ国の交渉が不調に終われば「カナダ製の車に高関税を課すことは簡単だ」と揺さぶりをかけた。「NAFTA」の名称を外してカナダ抜きの協定とする可能性も示唆し、乳製品などの市場開放に消極的とされる同国に譲歩を促した。