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株や不動産などの資産売却時に取得価格をインフレ調整し減税に
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トランプ大統領、ブルームバーグとのインタビューでコメント
トランプ米大統領は30日、キャピタルゲイン税のインフレ率とのリンクを検討していることを明らかにした。実現すれば投資家にとって減税となる。
トランプ大統領は大統領執務室でブルームバーグ・ニュースとのインタビューに応じ、「私はそれについて熱心に考えている」と語った。
幅広い内容にわたったインタビューで同大統領は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長への支持を表明したほか、苦境にあるセッションズ米司法長官が中間選挙前に退任することはないと述べた。
また、世界貿易機関(WTO)からの脱退も辞さない姿勢を示し、米国がカナダとの新たな通商合意に近づいていると発言。自動車関税を廃止するとの欧州連合(EU)の提案ははねつけた。
キャピタルゲイン税が変更されれば、株や不動産などの資産売却時に取得時の価格をインフレ調整するため投資家には減税となる。この変更はクドロー米国家経済会議(NEC)委員長が以前から目標としてきたもので、同委員長は、国民が「幻の所得」に課税されなくなるためこの政策により雇用創出や経済成長に弾みがつくと説明している。
ムニューシン米財務長官は7月、キャピタルゲイン税とインフレ率をリンクさせる案について、議会での法制化を経ずに新規則で実施できるかどうか検討していると述べており、それ以来この問題に関心が高まっている。
ただ、この案には投資収益を不当に優遇するとの批判があるほか、法制化が必要だとの意見もあるだけに、法的なハードルに直面する可能性が高い。また、恩恵を受けるのは主に投資収益のある高額所得者となるため、トランプ大統領の支持基盤の一部を遠ざける恐れもある。ペン・ウォートン・バジェット・モデルの試算によると、恩恵の63%余りは高額納税者上位0.1%が受けることになり、その額は向こう10年間で1020億ドル(約11兆3300億円)に上るという。
ブルームバーグとのインタビューの主なポイントは以下の通り:
- WTOからの脱退に関しては「彼らが正しく振る舞わなければ、WTOから脱退するだろう」
- セッションズ司法長官については、中間選挙が終わるまでは安泰だと述べ、「私は彼に素晴らしい仕事をしてもらいたい」と言明
- 利上げを巡ってトランプ大統領が批判の矛先を向けているパウエルFRB議長に関し、「私は好感し尊重する人物を議長に据えた」と発言
- カナダとの通商協議については、同国との合意は間近だと思うと述べ、「金曜日かそのころまでに合意する可能性がある。結局のところ彼らには選択肢はない」とコメント
原題:Trump Says He’s Considering Capital Gains Tax Break in Interview(抜粋)