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利上げ後もペソの下げ続く-下落率は一時20%に近づく
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マクリ大統領は29日にIMFに融資実行の前倒しを要請していた
アルゼンチンの通貨危機が深刻化している。中央銀行が30日に緊急利上げを実施したにもかかわらず、神経質な投資家による同国からの資金引き揚げを阻止できなかった。
アルゼンチン中銀が主要政策金利を45%から世界最高水準の60%に引き上げた後も、通貨ペソの下げは続いた。利上げは今月に入り2回目で、通貨下落に歯止めをかけるのが狙いだった。ペソは年初来で50%余り下げている。マクリ大統領は29日、国際通貨基金(IMF)に対して信用枠(500億ドル=約5兆5500億円)に基づく融資実行の前倒しを要請したことを明らかにし、同国に衝撃を与えていた。IMFは同国からの要請を検討しているとした。
ブエノスアイレス時間午後3時5分(日本時間31日午前3時5分)時点でペソは対ドルで約12%安。下落率は一時20%に近づいた。 これはマクリ大統領が2015年12月に就任した直後の事実上の通貨切り下げ以来最大の下げ。また、デフォルト(債務不履行)や社会の大混乱につながった約20年前の通貨急落の記憶がよみがえった。
原題:Argentina Peso Rout Worsens as Record Rate Hike Brings No Relief(抜粋)