[ワシントン 30日 ロイター] – 北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉は30日、カナダと米国の3日目の協議が行われた。両国は週内合意に向けて話し合いを加速しており、メキシコも交えた3カ国の閣僚級協議が早ければ30日中にも行われる可能性があるとの見方が出ている。
カナダの交渉担当者に助言を行っている自動車部品工業会(APMA)のフラビオ・ボルペ会長は「大筋合意に大きく近付いた」と述べ、「早ければ明日の終わりまで」に大筋合意する可能性があるとの見方を示した。
複数の関係筋によると、米国とカナダの協議が進められるなか、実務レベルではメキシコも交えた3カ国の協議が数日前から始まっており、早ければ30日中にもメキシコのグアハルド経済相がカナダのフリーランド外相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表の協議に加わる可能性がある。
フリーランド外相はこれより先、記者団に対し「多くの問題について担当者らが昨夜遅くまで会合を開き、かなり集中的に作業が行われている」と述べ、ライトハイザー代表と共に作業結果を検討するとしていた。また、短期間で多くの問題を処理しようとしているが、協議は友好的だとも述べた。
カナダのトルドー首相は同日、交渉の進展状況について各州知事に説明する予定。
カナダと米国の協議では、紛争解決メカニズムを規定する19条の廃止を米国が求めていることが争点の1つとなっている。ライトハイザー氏は27日、メキシコが19条の廃止に合意したと明らかにしたが、カナダは廃止に反対してきた。
また、トランプ米大統領は最高で300%となっている乳製品に対する関税を撤廃したい考えだ。ただカナダでは酪農家は政治に大きな影響力を持っており、この点でカナダ政府が米国に譲歩すれば、国内で反発が高まる可能性がある。