• ボールヒーズCEOが個人情報登録の必要なプログラム導入を発表
  • 規制環境を乗り切るために必要だとシェイプシフト

仮想通貨にとっては不吉な日となった。ピア・ツー・ピア(P2P)取引を提供する最も著名な交換業者の1社がユーザーに個人情報を求め始めたからだ。中央集権的ではないP2Pの分散型ネットワークは、本来のビットコインのビジョンに沿っている。

スイスに本拠を置く仮想通貨交換業者シェイプシフトのエリック・ボールヒーズ最高経営責任者(CEO)は4日のブログ投稿で、基本的な個人情報の登録が必要な会員制プログラムを導入すると発表、「近く義務化する」と説明した。アカウント登録が不要な交換業者として知られていたシェイプシフトにとって180度の方向転換となる。

ボールヒーズ氏は質問への電子メールによる回答で、会員登録は1-2カ月以内に義務化されると説明。「私はビットコインの終焉(しゅうえん)を宣言する多くの人たちにも直面してきた」とした上で、「究極的にはデジタル資産とデジタル金融が世界を支配するだろう。さまざまな否定論者が何を言おうと、その実現を助けるためにわれわれはいる」と述べた。

ブログ投稿によると、シェイプシフトが会員制プログラム導入に動いた背景には、ユーザーらが電子メール通知などアカウントに関連した機能を求めていたことがある。同社はまた、ロイヤルティー・プログラムのトークン化の可能性を探る中で、「規制環境を乗り切るために慎重かつ思慮深いアプローチ」が必要と認識しているとした。仮想通貨ウオッチャーらは、この最後の部分に注目し、シェイプシフトが当局に屈したのではないかとみている。

ボールヒーズ氏は今回の動きが当局からの具体的な要求に応じたものなのかとの問いに、「常に変わる法律のグレーゾーンの中で当社のリスクを回避するための予防的な措置だ」と説明した。ただ同氏はブログ投稿で、こうした批判に一部同調し、メンバー登録を必須とするのは「最悪」であり、シェイプシフトは依然として、個人には金融プライバシーの権利があると考えていると述べた。

原題:Crypto World Rocked As Long-Time Backer Voorhees Backpedals (1)(抜粋)