[ニューヨーク 17日 ロイター] – ニューヨーク外為市場は、トランプ米大統領が引け後に対中関税を巡る方針を公表する見通しとなったことを受け、円がドルに対して上昇した。ブレグジット(英国の欧州連合離脱)交渉を巡る期待感からポンドやユーロが対ドルで値上がりした。
トランプ氏の方針表明予定が伝わり、ドルは対円JPY=で取引時間中の安値を更新した。
ブレグジット交渉でEU側の責任者を務める欧州委員会のバルニエ首席交渉官は、英国との交渉は友好協力の精神で行われているとした上で、EUの単一市場の統合性を保全できるなら、EUは英国と離脱条件などについて合意できる可能性があるとの立場を示した。アイルランド国境問題で進展が報じられたこともポンドの支えとなった。
ユーロ/ドルEUR=が0.49%高の1.1685ドル。ポンド/ドルGBP=は0.72%値上がりした。
ジェフリーズのFX担当マネジング・ディレクターは「週内に行われるEU首脳会談でポンド買いにつながるような結果が出るのではとの期待が広がった」と述べた。
ユーロに関しては前週100日移動平均線を上抜けるなど、テクニカル要因も買い材料となった。こうした中、新興国通貨は下げ渋る展開。MSCI新興市場通貨指数.MIEM00000CUSは一時0.4%安だったが、その後0.21%安で推移した。
米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は17日、中国が関税などの引き下げに向け真剣な協議を行う準備ができ次第、米政府は中国との通商協議に臨む用意ができていると表明。中国の経済改革は誤った方向に向かっているとし、米政府は近く追加的に2000億ドル相当の中国製品に対する関税措置の発動を発表するとの見方も示した。ドルは4月以降、通商問題に絡みリスクオフの流れで値上がりしており、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、利食い売りが出やすい状態になっているという。
ドル/円
NY終値 111.83/111.86
始値 112.02
高値 112.10
安値 111.77
ユーロ/ドル
NY終値 1.1683/1.1684
始値 1.1660
高値 1.1698
安値 1.1657