[ニューヨーク 1日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ユーロ/ドルが下落。イタリアの財政赤字を巡る懸念からユーロに売りが出た。こうした中、米国とカナダが貿易交渉で妥結したことを受け、カナダドルが上昇した。

イタリアのディマイオ副首相は、欧州連合(EU)当局者らが同国の財政計画を巡りネガティブな発言を行い、金融市場をわざと混乱させていると批判した。これに先立ち欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務・税制担当)は、イタリアの財政計画について、EUの財政規律や当初の公約から「明白」に逸脱していると発言した。

2019年度の財政赤字を対国内総生産(GDP)比の2.4%に引き上げるとのイタリアの計画について、欧州委は拒否する構えと報じられた。同水準は前政権の公約の3倍に相当する。ユーロ/ドルEUR=は0.27%安の1.1577ドル。イタリアの財政赤字拡大への根強い懸念がユーロ相場の重しとなっている。

こうした中、カナダと米国は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で合意にこぎつけた。これによりメキシコを含めた3カ国の枠組みは維持される見通し。NAFTAに代わる新たな貿易協定の名称は「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」となる。

カナダドルCAD=は対ドルで0.94%高の1.2783カナダドル。

スコシア銀(トロント)の主任FXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「悪材料のリスクが払拭されたという点で評価できる。カナダドルやカナダ経済への中期的見通しに変更はない」と述べた。

ドル/円
NY午後3時 113.97/114.00

始値 113.97
高値 114.06
安値 113.89

ユーロ/ドル
NY午後3時 1.1573/1.1577
始値 1.1607
高値 1.1623
安値 1.1564