【ワシントン時事】カバノー米連邦最高裁判事候補による過去の性的暴行疑惑で、連邦捜査局(FBI)の調査報告書が上院に送付されたのを受け、ホワイトハウスや与党共和党からは4日、カバノー氏の人事案の早期承認に自信を示す声が相次いだ。一方、民主党では「調査が不十分」と反対する意見が大勢で、本会議の採決は与野党の勢力を反映した僅差の決着になる見通しだ。

定数100の上院で共和党は半数をぎりぎり上回る51議席にとどまり、2人が造反すれば人事案は否決される可能性が高まる。米メディアによると、態度を明確にしていなかった共和党穏健派議員3人のうち2人が4日、報告書について「(疑惑を)裏付ける追加情報はなかった」(フレーク議員)などと承認に前向きとも受け取れる見解を示した。

4日、ニューヨークのトランプタワー前で、カバノー氏の人事案承認に反対する女性たち(AFP時事)

共和党のマコネル上院院内総務は、最終採決の前段となる討論終結動議の投票を5日に行う方針。同党内では6日の最終採決を目指す声が高まっている。サンダース大統領報道官は記者団に「当然、そうなる(早期承認される)よう望む」と語った。

これに対し民主党のシューマー上院院内総務は「FBIの調査が制約され、すべての事実を得られなかったのではないか」と不満を表明した。首都ワシントンの最高裁前では4日、カバノー氏の人事案に反対する女性らのグループが集まり、「われわれは(性的暴行の)被害者を信じる」などと叫んだ。