【ロンドンAFP時事】英国の正体不明の芸術家「バンクシー」が制作したアート作品が、ロンドンの競売商サザビーズのオークションで落札された直後、額縁に隠されたシュレッダーで細断されるというハプニングがあった。バンクシー自身が仕掛けた大胆ないたずらとみられるが、突然の出来事に芸術界に衝撃が走った。
バンクシーの作品「少女と風船」は5日、104万2000ポンド(約1億5500万円)で落札された。
バンクシーは6日、インスタグラムで「破壊する衝動は創造的な衝動」とのピカソの言葉を添えて、競売会場のビデオ映像を投稿。「オークションに掛けられた場合に備えてシュレッダーを作品に仕込んだ」と認めた。映像は、作品が額縁から滑り落ちながら細断され、人々があっけにとられている様子を映している。
サザビーズの担当者は「われわれは『バンクシーされた』ようだ。アート作品が落札後に自動的にシュレッダーに掛けられるのはオークションの歴史で初めてだ」との声明を出した。サングラス姿の正体不明の男が会場入り口近くで警備員ともめていたという情報もあり、バンクシー自身が会場にいたとの臆測も出ている。サザビーズが事前にこのいたずらを知っていたかどうかは明らかではない。