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米当局の大規模な政策見直しには15-20%調整必要-エバコア
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株安を米金融当局は恐らく重大視していない-ウエストパック銀
米金融当局が市場を救ってくれると期待している人は、失望するかもしれない。事態が今よりずっと悪くならない限り、そうした状況が生まれる公算は小さい。
こう指摘するのは、エバコアISIで中央銀行の戦略分析責任者を務めるクリシュナ・グハ氏だ。S&P500種株価指数は10日に前日比3.3%安と、2月以来の大幅下落となったが、米金融当局の注意を引くには少なくとも10%の調整が必要だと同氏はみる。また、仮にそうした事態になったとしても、想定される利上げ路線の変更には恐らく至らないだろうと言う。
グハ氏は「Fed(米金融当局)が政策を大きく見直す必要に迫られるとすれば、15-20%という、もっとずっと大きな調整が必要になろう」とリポートで指摘。信用スプレッドと為替レートのボラティリティーを当局が考慮する公算も大きいと論じた。相場急落時に米当局が金融政策を緩和するとの考えは、「Fedプット」という言葉で知られる。
S&P500種が9月に付けた終値ベースの最高値2930.75から10%下げた水準は約2638となり、10日の終値(2785.68)を大きく下回る。20%急落となれば2345。2017年半ば以来の水準だ。
ウエストパック銀行のシニアストラテジスト、ショーン・キャロー氏もグハ氏と同様の見方だ。キャロー氏は米金融当局が自国経済の堅調さに自信を示していることを挙げ、当局は恐らく株式相場下落を「成長とインフレの見通しに実質的な影響はない」とみているとリポートで言及。少なくとも当面は「Fedプットという考えは葬り去ろう」と記した。
原題:Stocks May Have to Tumble 20% Before ‘Fed Put’ Comes Into Play(抜粋)