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いくらか調整があったという事実は驚きではないームニューシン
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米株や株式相場全般が非常に高くなっていたーラガルド氏
ムニューシン米財務長官や米地区連銀総裁、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事など世界の金融リーダーは、2月以来で最大となった米国株式相場の下落について、経済への深刻なリスクを否定。多くが長らく訪れるべき調整だったとの見方を示した。
ムニューシン長官はIMF年次総会が開かれているインドネシアのバリ島で、「米経済のファンダメンタルズは引き続き非常に強く、米株式市場がこれまでこれほど良好なパフォーマンスを見せたのはこのためだと思う」とインタビューで発言。「いくらか調整があったという事実は、相場がこれだけ上昇してきたことを考えると、特に驚きではない」と述べた。
11日のアジア株は米国株に追随して下げたが、ボスティック・アトランタ連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁、IMF専務理事もムニューシン長官と同様、株安を重大視しなかった。
ボスティック総裁は「株式相場の動きがそれだけで経済に関する私の見方を変えることはない」とし、エバンス総裁はここ2、3週間に自分の見方を変えるようなことが起こったという認識はないと述べた。IMFは今週、世界の成長見通しを下方修正したが、ラガルド専務理事も株安に過剰な解釈を求めることに注意を促し、「上がるときもあれば下がるときもある。米株や株式相場全般が非常に高くなっていたという見方は妥当だと思う」と述べた。
ラガルド専務理事は米国の保護主義の高まりと金融引き締めという「組み合わせが恐らく、市場の緊張の幾らかに表れているのだろう」と分析。一方、トランプ米大統領は米金融当局の引き締めが株式相場急落の理由だとし、当局は「正気を失った」などと批判した。ラガルド氏はこれに対し、経済が好調な時に中央銀行が金融政策を引き締めるのは「避けられないことだ」と述べた。
原題:Mnuchin, Fed Officials Downplay Market Rout as Sell-Off Widens(抜粋)