香港の当局は、来月行われる議会の補欠選挙に立候補していた中国に批判的な民主派の政党の女性について、主張が香港の憲法にあたる基本法に触れるとして立候補を無効としました。立候補が無効とされたのは、香港の民主派の政党から立候補していた劉小麗氏です。
劉氏は、香港の将来の体制は住民投票で決めるべきだと主張し、2年前に香港の議会にあたる立法会の議員に初当選しましたが、中国への反発の意思を示すため、就任の宣誓をゆっくりと読み上げたことを理由に失職となりました。
劉氏は来月25日に行われる補欠選挙に再び立候補しましたが、選挙管理を担当する当局は12日夜、「香港の中国からの独立も含め、将来を住民投票によって決めるべきだと主張し、中国の主権を認めていない」として、香港の憲法にあたる基本法に触れるという理由から立候補を無効とする決定を下しました。
香港では、ことし3月に行われた補欠選挙でも、民主的な選挙を求めた抗議活動「雨傘運動」の主要メンバーだった女性が立候補を無効とされたほか、先月には中国からの独立を主張した団体が活動禁止を命じられるなど、民主派の勢力や独立を主張する勢力に対する締めつけが強まっています。
劉氏は決定に対し「政府と異なる立場の人たちを閉め出す政治弾圧だ」と反発しているほか、ほかの民主派の政党なども「市民の選挙参加権を脅かすものだ」と反発を強めています。