[ニューヨーク 12日 ロイター] – ニューヨーク外為市場は、ドルが通貨バスケットに対して急伸した。世界的に株式相場が持ち直したほか、中国の輸出統計も底堅く、中国経済や米国との貿易戦争を巡る懸念が和らいだ。来週の欧州連合(EU)首脳会議は、英国が離脱問題で合意する可能性もあるとみられる中、ユーロと英ポンドは3営業日続伸から一転反落した。
中国税関総署が発表した9月の貿易統計によると、ドル建て輸出は前年同月比14.5%増と、市場予想を上回る伸びとなった。対米貿易黒字は過去最高だった。オアンダ(トロント)の市場分析バイスプレジデント、ディーン・ポップルウェル氏は「中国の貿易統計を受け市場は一息ついた」「多少リスクをとりやすくなったと受け止められた」と話した。
主要6通貨に対するドル指数は0.23%高の95.234。週間の下落率は0.4%に縮小した。ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニアマーケットアナリスト、ジョー・マニンボ氏は「基調的な地合いは引き続きドルにプラスだが、今週明らかになった通り、来月の米中間選挙を控え特に政治面で脆弱性が残っている」と指摘した。MSCI世界株価指数は0.57%上昇。週間では4.4%値下がりし、少なくとも3月以来の大幅安となった。堅調な銀行決算やハイテク部門の持ち直しを背景に、米国株式市場は上昇した。
対ドル相場はユーロが0.27%安の1.1562ドル、英ポンドは0.59%安の1.3157ドル。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、今後数年のユーロ圏インフレについて、徐々に上昇する基調にあるとの見通しを示した。比較的活発な上昇を予見していたこれまでの発言からややトーンダウンした形。この発言もユーロを圧迫した。中国人民元ははオフショア取引で0.65%安の1ドル=6.9227元。中国の輸出増を受け、対米貿易摩擦激化への懸念が広がった。
ドル/円
NY終値 112.19/112.22
始値 112.27
高値 112.37
安値 111.89
ユーロ/ドル
NY終値 1.1562/1.1564
始値 1.1579
高値 1.1588
安値 1.1536