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EUにとどまる期間の実質的延長を意味し欧州懐疑派が反対する公算大
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メイ首相は国境問題克服のため移行期間延長の検討に前向きだと関係者
メイ英首相は欧州連合(EU)との離脱交渉の行き詰まり打開を目指し、EUルールに拘束される期間を延長するプランの検討に入った。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
メイ首相は、離脱後もEUルールに従う1年9カ月の移行期間をさらに延長するEU側の提案を検討している。17日にブリュッセルで開かれたEU首脳会議でメイ首相は譲歩をいとわない姿勢を示唆したと関係者の1人は述べた。欧州議会のタヤーニ議長は、この問題が28カ国首脳の間で話し合われたことを確認した。
この動きは、英国がEU加盟国にとどまる期間を実質的に延長することになり、交渉の行き詰まり打開につながる可能性があるものの、英国内で支払わなければならない政治的代償は高くつく。メイ首相率いる与党保守党の欧州懐疑派は、EU離脱を先送りするものだと首相を責める可能性が高く、EU予算への年間約100億ユーロ(約1兆3000億円)の支出を英国が継続する可能性に難色を示すことが予想される。ブリュッセルでのあらゆる合意事項は議会の承認が必要だが、メイ首相は過半数の支持を確保できておらず、各方面からの反対に直面せざるを得ない。
関係者によると、メイ首相らは、離脱交渉で最大の障害となっている英領北アイルランドとアイルランドとの国境問題を克服する手段として、移行期間延長の検討に前向きだという。
原題:May Is Said to Mull Longer Transition to Break Brexit Deadlock(抜粋)