[ニューヨーク 18日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではユーロが対ドルで下落し1週間ぶりの安値を付けた。イタリアの来年度予算案を巡り、欧州委員会が欧州連合(EU)財政規律への重大違反が見られると指摘したことが材料となった。

ユーロ/ドルEUR=は1.1455ドルと今月9日以来の安値。EU首脳会議で英離脱(ブレグジット)交渉の打開策が見出せない中、ポンドも値下がりした。CIBCキャピタルマーケッツ(トロント)の北米外為戦略部長、バイパン・ライ氏は「イタリア予算案を巡る欧州委の強硬姿勢とブレグジット問題を取り巻く不透明感がダブルパンチになった」と述べた。前日発表されたタカ派的な連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は引き続きドルの下支えとなった。

こうした中、円相場JPY=は上昇。ダウ平均株価.DJIが400ドル近く値下がりするなど米国株の下げがきつくなる中、円が買われる展開となった。直近では0.5%高の112.14円。

オフショア人民元CNH=D3は対ドルで3カ月ぶり安値圏で推移。直近では0.2%安の6.94元。米財務省は前日、半期に一度の外国為替報告書を発表。中国などの為替操作国認定は見送ったが、ムニューシン財務長官は「とりわけ、中国の為替の透明性欠如と最近の元安が懸念材料だ」と指摘した。

シティグループでは、財務省が今後半年間、人民元の動向を注視しつつ見直すとしたことで「来年4月の報告書で中国を為替操作国に認定する用意があることが如実に示された」と述べた。

高値 112.61
安値 111.97

ユーロ/ドル
NY午後3時 1.1465/1.1466
始値 1.1517
高値 1.1522
安値 1.1452