こう着状態に陥っているEU=ヨーロッパ連合からの離脱交渉について、イギリスのメイ首相は、事態の打開に向けて、経済の混乱を防ぐために設ける「移行期間」の延長を受け入れる可能性に言及しました。しかし、離脱を急ぐべきだと主張する議員からは、反発の声が早くも上がっていて、国内で批判が高まることも予想されます。
EUとイギリスの離脱交渉は、離脱後、EUと陸続きの国境となるアイルランドと北アイルランドの間で、税関などを設けず、モノや人の自由な行き来をいかに守るかをめぐって意見の対立が埋まらず、今週の首脳会議では合意に至りませんでした。
18日、EU本部があるベルギーの首都ブリュッセルで記者会見したイギリスのメイ首相は、経済の混乱を防ぐために設けられる「移行期間」について、「アイルランドの国境問題を解決するためには2020年12月の期限を数か月延ばすことも選択肢の一つとして浮上している」と述べました。
ただ、「移行期間」の間は、EUのルールに従わなければならないほか、拠出金を求められる可能性があるため、離脱を急ぐべきだと主張する議員からは、反発の声が早くも上がっています。
メイ首相は、「離脱を求めたイギリス国民の決定を実行するためのものだ」と強調しましたが、離脱交渉の進め方をめぐり国内で批判が高まることも予想されます。