トルコにあるサウジアラビア総領事館でジャーナリストが死亡した事件をめぐり、トルコの捜査当局は総領事館のスタッフに話を聞くなどして捜査を進めています。エルドアン大統領は23日に事件の詳細を発表する予定で、死亡の経緯が明らかになるか注目されます。
この事件をめぐりトルコのメディアは、捜査当局が連日、総領事館のトルコ人スタッフから当時の様子を聞くなどして捜査を進めていると伝えています。22日には、事件以降、所在がわからなくなっていた総領事館の車がイスタンブール市内の駐車場で見つかりました。捜査当局は車が事件に使われた疑いがあるか調べる予定でしたが総領事館の許可が間に合わず、捜査は翌日以降に持ち越しになったということです。
アメリカのCNNテレビは、事件に関わったとされる男がカショギ氏の洋服を身につけ、メガネと偽のあごヒゲをつけて、総領事館の裏口から立ち去る様子を捉えたとする監視カメラの映像を伝えました。サウジアラビアの当局者もロイター通信の取材に対し、男がカショギ氏の服を着て総領事館から出たことを認め、カショギ氏の死亡が発覚するのを防ぐため周到な隠蔽工作が行われた疑いが浮上しています。
トルコのエルドアン大統領は「すべてを明らかにすべきだ」として、23日に首都アンカラで事件の詳細を発表するとしていて、死亡の経緯など新たな情報が明らかになるか注目されます。
トランプ氏 サウジの説明に不満も経済関係は維持
アメリカのトランプ大統領は22日、ホワイトハウスで記者団に「私はサウジアラビアのムハンマド皇太子とも直接話したし、サウジアラビアにもトルコにも アメリカ政府の情報機関の責任者を派遣しており、まもなく真相が究明されるだろう。カショギ氏が死亡した経緯に関するサウジアラビア政府の説明には決して満足していない。しかしサウジアラビアのアメリカ国内への巨額の投資を失うわけにはいかない」と述べ、サウジアラビアにさらなる説明を求める一方で、経済関係は引き続き維持したい考えを示しました。