アメリカ東部ペンシルベニア州で11人が死亡した銃乱射事件で、捜査当局は、容疑者の男がユダヤ教の礼拝所に4丁の銃を持って押し入り、3つの部屋を移動しながら乱射したことを明らかにし、大勢の人の殺害を計画していたとみて調べています。

アメリカ東部の都市ピッツバーグで27日、ユダヤ教の礼拝所に男が押し入って銃を乱射し、54歳から97歳の11人が死亡、警察官を含む6人が負傷しました。捜査当局は、近くに住む白人のロバート・バウアーズ容疑者を殺人などの容疑で訴追しました。

捜査当局は28日の会見で、バウアーズ容疑者がAR15という殺傷力の高いライフル銃1丁と3丁の拳銃を持って礼拝所に押し入り、3つの部屋を移動しながらおよそ20分間、銃を乱射したことを明らかにしました。

また、この時、バウアーズ容疑者はユダヤ教徒を虐殺したいという趣旨の言葉を発していたということで、捜査当局は、差別意識や憎しみに突き動かされ、大勢のユダヤ教徒の殺害を狙った計画的なヘイトクライムとみて、動機や経緯を調べています。

バウアーズ容疑者が使用したAR15は、ことし2月に南部のフロリダ州の高校で17人が殺害された事件や、去年10月に西部ネバダ州のラスベガスの野外コンサートの会場で58人が殺害された事件でも使われています。

中間選挙を前に起きた今回の事件が、銃規制や人種問題をめぐる議論にどう影響するかも注目されています。

現場は

銃撃事件が起きたユダヤ教の礼拝所前の道は、複数の警察車両がとめられて封鎖されていて、犠牲者を悼んで花を手向けに訪れる人たちの姿が見られました。

また、ユダヤ教の人たちが集まる近くの施設では、哀悼の意を表するために星条旗の半旗が掲げられていました。

近所に住む女性は「二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、地域でできることがないか考えていきたい。今こそ、団結していかなければいけない」と話していました。