10月の米雇用統計で平均時給は前年同月比3.1%増と、2009年以来の大きな伸びを記録。非農業部門雇用者数は市場予想を上回る増加で、失業率は約半世紀ぶりの低水準となった前月の値を維持した。中間選挙を控え、トランプ大統領にとっては追い風。米金融当局としては利上げ継続の根拠となる。

米労働省の2日発表によると、10月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比25万人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は20万人増だった。9月は11万8000人増(速報値13万4000人増)に下方修正された。10月の失業率は3.7%と、前月から変わらず、市場予想と一致した。

非農業部門雇用者数と失業率、米労働省

6日の中間選挙を前に、共和党にとっては経済的実績をアピールする材料となった。各種世論調査に基づくと、同選挙では民主党が票を伸ばす見通しだ。雇用と賃金の増加傾向は減税による押し上げを反映しているとともに、米金融当局が12月に今年4回目の利上げを実施するとの見通しを強めた。

10月の平均時給は前月比では0.2%増で、市場予想と一致。前月は0.3%増だった。前年同月比3.1%増は、9月の2.8%増に比べて伸びが加速した。ただ今回の雇用統計は、トレンドの指標性という面では通常より弱いかもしれない。今年、昨年ともに10月はハリケーンの影響でデータにゆがみが生じているためだ。

非農業部門雇用者数は9月が速報値より1万6000人下方修正される一方、8月が同数の1万6000人上方修正された。3カ月間の平均は21万8000人増となった。

10月の民間部門雇用者数は24万6000人増。市場予想は19万5000人増だった。「U6」と呼ばれる不完全雇用率は7.4%に低下。前月は7.5%だった。U6にはフルタイムでの雇用を望みながらもパートタイムの職に就いている労働者や、仕事に就きたいとは考えているものの積極的に職探しをしていない人が含まれる。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:U.S. Payrolls Rise More Than Forecast as Wage Gains Hit 3.1% (2)(抜粋)