韓国の最高裁判所が徴用をめぐる裁判で日本企業に賠償を命じた判決をめぐり、河野外務大臣が「暴挙だ」などと批判していることに対し、韓国外務省は、6日夜、「甚だ遺憾だ。司法の判断を尊重しなければならないのは日本も例外ではないはずだ」というコメントを発表しました。

韓国の最高裁判所が太平洋戦争中の徴用をめぐる裁判で新日鉄住金に損害賠償を命じる判決を言い渡したことについて、河野外務大臣は、今月4日、「国際法に基づいて秩序が成り立つ国際社会への挑戦だ」と厳しく批判し、6日も、「完全かつ最終的に終わった話であり、判決は暴挙だ」と述べ、国際司法裁判所への提訴も含めて検討する考えを示しています。

こうした発言に対し、韓国外務省は、昨夜遅くにコメントを発表し、「日本の責任ある指導者たちが、問題の根源を無視して韓国の国民感情を刺激する発言を継続的に行っていることを非常に憂慮している」としました。そして、「司法の判断について節度のないことばで評価を下すなど、甚だ遺憾だと言わざるをえない。司法の判断は、当然、尊重しなければならず、日本も例外ではないはずだ」と主張しました。

そのうえで、「今回の事案を過度に政治的に際立たせるのは、韓日関係の未来志向的な発展に全く役立たないことを、日本政府は明確に認識しなければならない」としました。

韓国の政界やメディアでは今回の判決を評価する声が強いだけに、韓国外務省としては、河野外務大臣に反論しなければ、「弱腰だ」と批判されると懸念したものとみられますが、日本との関係悪化は避けたいのが本音で、判決への対応に苦慮しているもようです。