米中間選挙では全米50州のうち、36州の知事選もあった。野党・民主党は、主要産業が衰退した工業地帯「ラストベルト」の州などで少なくとも6ポストを与党・共和党から奪った。ただ、民主はフロリダ州など重要州を取りこぼした。知事の動向は今後の選挙に影響を及ぼす可能性がある。
今回改選のうち、26州で共和党知事が現職。民主党がどこまで奪い返せるかが焦点だった。
米メディアによると、民主党はミシガン州とウィスコンシン州で知事ポストを確保した。両州では2012年の大統領選でオバマ大統領(当時)が勝ったが、16年はトランプ大統領が勝った。両州のようなラストベルトに加え、共和党の強い地盤のカンザス州でも民主党が知事ポストを得た。
一方、フロリダ州では、トランプ氏との関係の近さを訴える共和党のデサンテイス前下院議員と、同州初の黒人知事を目指す民主党のタラハシー市長・ギラム氏が激しく争い、注目を集めた。世論調査ではギラム氏のリードが伝えられたが、デサンテイス氏がわずかな差でギラム氏をかわした。
フロリダ州は両党の支持が競り合い、大統領選でも激戦となることが多い。大統領選の勝敗を決める選挙人数も29人(全体で538人)と多く、前回はトランプ氏が勝利。反転攻勢のきっかけをつかめなかったのは民主党にとって痛手だ。
米国では、10年ごとの人口動態調査を元に、各州でゲリマンダリングと呼ばれる選挙区の区割りが行われることが多い。次回は20年に予定され、今回選ばれた知事の任期中に区割り作業が進められる。線引き次第では特定政党に有利になるため、今回の知事ポストの行方は将来の選挙結果を大きく左右するとの指摘もある。(ワシントン=鵜飼啓)