イスタンブール(CNN) トルコのエルドアン大統領は10日、同国のサウジアラビア総領事館でサウジ人記者ジャマル・カショギ氏が殺害された事件に関連する音声記録を、サウジと米英独仏の計5カ国に提供したことを明らかにした。
エルドアン氏はこの日、第1次世界大戦の終戦100年記念式典に出席するためパリへ向かった。出発に先立ち、音声記録を引き渡したと述べたうえで、サウジで拘束された容疑者18人が実行犯を知っていると主張した。この中には、事件直前にサウジからトルコ入りした15人のグループが含まれている。
音声の具体的な内容には言及しなかったものの、サウジに対し、遺体の行方を含めた事件の真相を明らかにするよう改めて呼び掛けた。
エルドアン氏は容疑者18人をトルコで裁くべきだとして、サウジ当局に身柄引き渡しを要求してきた。しかしサウジ側は自国での裁判を主張している。
トルコの検察は10月31日、カショギ氏が計画的に絞殺され、遺体は切断されたと断定していた。
サウジは説明を二転三転させた末、カショギ氏が計画的に殺害されたことを認めたが、サルマン国王やムハンマド皇太子は計画を知らなかったと主張している。
10日にパリで会談したトランプ米大統領とマクロン仏大統領も、詳細を知る必要があるとの認識で一致した。
マクロン氏の報道官によると、両首脳は「この暗殺は重大であり容認できない」とする一方、サウジの内政には干渉しないとの立場を示し、犯人の扱いについては意見を述べなかった。