[ニューヨーク 13日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、英国と欧州連合(EU)が英国の離脱合意の草案で合意したことを受け、ユーロと英ポンドが上昇した。これに伴い、前日に上昇したドルに対しては利食い売りが出た。

英国のEU離脱(ブレグジット)の条件を巡る先行き不透明感がこのところユーロと英ポンドの重しとなっていた。英国のメイ首相が議会で承認を得られるかはまだ不明だが、ウエルズ・ファーゴ証券(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「一部懐疑感もあるが、慎重ながらも楽観的な見方が出ている」としている。

英ポンドは対ユーロで6カ月半ぶりの高値を更新。対ドルでは前日の下落分のほぼすべてを取り戻した。午後の取引でユーロ/ドルは0.34%高の1.12570ドル。前日の取引では1.1216ドルと、2017年6月以来の安値を付けていた。

ユーロに対しては、イタリア予算案を巡る懸念のほか、軟調だった11月の独ZEW景気期待指数などが一段の上昇を阻む要因となった。ユーロは対英ポンドで0.48%安の86.885ペンス。一時は86.82ペンスと、4月26日以来の安値を付けた。 英ポンドは対ドルで0.82%高の1.2955ドル。前日は約1%下落していた。 主要6通貨に対するドル指数は0.15%安の97.397。前日は97.693と、1年4カ月ぶりの高水準を付けていた。

この日はブレグジット問題では進展が見られたものの、イタリア予算案を巡る問題はなおユーロの重しとなっている。 イタリアを巡っては国際通貨基金(IMF)がこの日、同国が計画している財政刺激策は金利上昇につながり、その結果としてリセッション(景気後退)が引き起こされる恐れがあるとし、緩やかな財政緊縮を実施するよう助言。パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のグローバル経済アドバイザー、ヨアヒム・フェルズ氏は「イタリアがユーロの試金石となっている」とし、同国を巡るリスクは当面払拭できないとの見方を示した。

ドル/円
NY午後3時 113.84/113.85
始値 113.97
高値 114.03
安値 113.76

ユーロ/ドル
NY午後3時 1.1266/1.1270
始値 1.1252
高値 1.1294
安値 1.1247