[ワシントン 15日 ロイター] – 米商務省が15日発表した10月の小売売上高は前月比0.8%増と、前月の落ち込みから大幅に持ち直した。市場予想は0.5%増だった。自動車や建材が好調だった。ハリケーン「フローレンス」の復興作業が影響したとみられる。
統計からは、貿易赤字がさらに悪化する見通しや住宅市場が弱含み続ける中でも、個人消費が第4・四半期初めに好調な勢いを維持し、経済が勢い良く伸び続けていることが示された。10月の統計はまた、年末商戦を控え良い兆しとなった。
米政府は先月、第3・四半期の個人消費が4年近くぶりの大幅な伸びになったと公表した。8─9月のコア小売売上高の下方修正を踏まえると、月内に公表予定の国内総生産(GDP)改定値で消費支出が下方修正される公算が大きいとみられている。商務省当局者は、9月中旬にノースカロライナ州とサウスカロライナ州を直撃したフローレンスが小売売上高の統計に与えた影響の度合いを計ることはできないと述べた。
小売売上高の内訳は、自動車が1.1%増。ハリケーンの被害を受けた地域で車を買い替えた人が出たとみられる。9月は0.1%減だった。建材は10月に1.0%増。被災地の復興作業によるものとみられる。衣料は0.5%増。9月は0.8%増加していた。オンライン小売は0.4%増。9月は1.3%増だった。ガソリンスタンドは3.5%増だった。ガソリンの値上がりを反映したとみられる。運動・娯楽は0.5%増だった。一方、家具は0.3%減。外食は0.2%減。9月は1.5%減少していた。
ウェルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は、指標を受け「年末商戦が堅調になるという予想が確認された」と指摘。「ただ年が明けると、減税による押し上げ効果が薄れ始め、支出はより抑制されると予想する」と述べた。