[ニューヨーク 19日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが約2週間ぶりの水準に下落した。前週に米連邦準備理事会(FRB)当局者から慎重な発言が相次いだことで、利上げサイクルは終わりに近づきつつあるとの観測が台頭したことが背景。

主要6通貨に対するドル指数は一時96.120と、11月8日以来の水準に低下した。終盤の取引では0.3%低下の96.208となっている。前週16日にはクラリダFRB副議長とカプラン・ダラス地区連銀総裁が世界経済が減速する可能性について警告。両氏とも将来的な利上げを示唆したものの、市場ではFRBの利上げサイクルは終了局面に差し掛かっているとの見方が台頭した。

パウエルFRB議長も14日に、米経済は「非常に強い」としながらも、世界的な成長減速が経済に対する向かい風になる可能性について言及していた。キャピタル・エコノミクスは、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標が2019年半ばに2.75─3.00%でピークを付けると予想。同社の首席市場エコノミスト、ジョン・ヒギンンズ氏は「市場ではピークはこの予想の上限ではなく下限に近くなるとの見方が大勢となっている」としながらも、「FRBは景気の急速な減速に対応するために2020年に大幅な利下げに動くとわれわれは予想しているが、市場はこうした見方を織り込むには大きく遅れをとっている」と述べた。

ユーロ/ドルは0.3%高の1.1452ドル。イタリア予算案を巡る懸念が払拭されていないにもかかわらず上昇した。英ポンドは対ドルで0.2%高の1.2862ドル。前週は欧州連合(EU)との間で合意した離脱協定案に反対して閣僚の辞任が相次ぐ中、ポンドは対ドルで約1%下落していた。

ドル/円
NY午後4時 112.53/112.56
始値 112.78
高値 112.87
安値 112.43

ユーロ/ドル
NY午後4時  1.1450/1.1453
始値 1.1423
高値 1.1465
安値 1.1414