[ニューヨーク 20日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが上昇。上昇率は2週間ぶりの大きさとなった。世界的な株安の中、安全資産に買いが向かったほか、世界経済の成長鈍化懸念が背景。

テンパス・コンサルティングのジョン・ドイル氏は「株価が急落し、ドルは今のところ安全資産買いで上昇している」と指摘した。米連邦準備理事会(FRB)当局者が世界経済の見通しを巡り慎重な発言をし、FRBが利上げペースを遅らせるか、引き締めサイクルを終了する可能性があると示唆したことを受け、ドルは一時2週間ぶりの安値に下落。午後の取引では、主要6通貨に対するドル指数は0.7%高の96.858。11月7日に付けた直近の安値水準からは上昇した。

スコシア・キャピタルの首席為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「投資家が特に対円で大規模なドルロングを維持している中で、FRB見通しに対する市場の疑念が続けば、ドルが下落するリスクは引き続きあるだろう」と述べた。

ユーロは欧州株下落を受けて対ドルで下落。イタリアの銀行株が2年ぶりの安値を付けたほか、欧州連合(EU)とイタリアが予算案を巡り対立を続ける中、イタリア国債が売られた。終盤の取引でユーロは0.8%安の1.1365ドル。一時は2週間ぶり高値を付けた。

モルガン・スタンレーの通貨戦略責任者、ハンス・レデカー氏は顧客向けリポートで「米株市場が安定化するには、米国以外の成長が改善するか、FRBがスタンスを和らげる必要がある」などと指摘した。英ポンドは対ドルで下落したが、対ユーロでは上昇した。

仮想通貨市場では、仮想通貨ビットコインが一時10%値下がり。4300ドルを割り込み年初来安値を更新。終盤では5.4%安の4516.23ドル。

ドル/円
NY午後4時112.67/112.70
始値 112.48
高値 112.83
安値 112.31

ユーロ/ドル
NY午後4時1.1368/1.1371
始値 1.1431
高値 1.1435
安値 1.1359