【ワシントン時事】トランプ米大統領は20日、声明を出し、サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件で「サウジのムハンマド皇太子が事件を把握していた可能性は十分にある」と指摘したが、関与したかどうかは明言しなかった。一方で、サウジは「揺るぎないパートナー」であり続けると強調。真相究明よりも、対イランなど中東戦略の柱であるサウジとの関係維持を優先する意向を示した。
複数の米メディアは16日、皇太子がカショギ氏殺害を命じたと中央情報局(CIA)が結論付けたと報じた。だが、トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「CIAは最終的な結論を出していない」と指摘。「(皇太子は事件を)知っていたかもしれないし、知らなかったかもしれないというのが事実だ」とも主張し、皇太子の責任を追及しない姿勢を示唆した。
また、トランプ氏は声明で、サウジは米国への4500億ドル(約50兆円)の投資で合意していると強調。そのうちの武器売却についても「米国が中止すれば、ロシアや中国が(代わりに)巨額の利益を得ることになる」と指摘し、継続したい考えを表明した。