【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)は22日、ウィーンの本部で定例理事会を開いた。天野之弥事務局長は冒頭に発表した声明で、北朝鮮が寧辺の核施設で、軽水炉部品を製造した形跡があると明らかにした。
一方、黒鉛減速炉(5000キロワット)は稼働停止しているとみられ、使用済み燃料の再処理の動きも確認されなかったという。IAEAは8月、「過去1年以内」に蒸気や冷却水の排出といった稼働を示す現象がみられたと報告していた。
北朝鮮は9月の南北首脳会談で、米国の対応次第では、寧辺の核施設を廃棄する用意があると表明している。天野氏は記者会見で、現場に査察官を送れない状況では「分析は難しい」と述べた。その上で関係各国の合意があれば、査察を行う用意があると改めて強調した。
米国によるイラン制裁再開で、崩壊が懸念されているイラン核合意については、天野氏は「イランは合意を順守している」とし、合意の有効性を訴えた。