ゴーン前会長、黙秘することなく「不正は行っていない」
自身の役員報酬を有価証券報告書に過少記載したとして、金融商品取引法違反容疑で逮捕された日産自動車前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)が容疑を否認していることが25日、関係者への取材で明らかになった。また、前会長が娘の通う海外の大学への寄付や家族旅行費用も日産に資金提供させていた疑いが新たに浮上。東京地検特捜部も送金記録を入手し、資金の流れについて解明を進めている模様だ。
関係者によると、ゴーン前会長は、特捜部の調べに黙秘することなく「不正は行っていない」などと主張しているとみられる。「腹心」の前代表取締役、グレッグ・ケリー容疑者(62)も逮捕後、接見した関係者に「役員報酬は適切に記載していた。(前会長から)不正な指示も受けていない」と語ったとされる。
ゴーン前会長を巡っては、日産の西川(さいかわ)広人社長が19日の記者会見で、「資金の私的流用」もあったと説明した。日産側と前会長の姉が実態のない「アドバイザリー契約」を結び、姉に年10万ドルが送金されていた疑いが指摘されている。さらに家族旅行や娘が通う大学への寄付の負担という新たな流用疑惑も加わった形だ。【巽賢司、遠山和宏、金寿英】