【台北時事】台湾の統一地方選の投開票が24日、行われた。22県市の首長選は、与党・民進党が直轄市の高雄と台中で国民党に敗北するなど、首長ポストを13から6に半減させ、大敗した。蔡英文総統の改革路線に「ノー」が突き付けられた格好で、蔡総統は党主席を辞任した。
2020年の次期総統選の前哨戦と位置付けられ、16年5月に発足した蔡政権下で、初の大型選挙となった。大敗に終わったことで、蔡氏が目指す次期総統選への再選出馬にも黄信号がともった。
蔡氏は結果を受けて記者会見し、「われわれの努力が足りなかった。支持者を失望させたことに心からおわびする」と謝罪した。その上で、頼清徳行政院長(首相)から口頭で辞意を伝えられたが、慰留したことを明らかにした。
6直轄市では、民進党地盤の高雄市長選で同党新人の陳其邁氏(53)が国民党新人の韓国瑜氏(61)に敗れたほか、台中でも民進党現職の林佳龍氏(54)が国民党新人の盧秀燕氏(57)に敗北した。一般の県市の首長選でも、中部の彰化や東部の宜蘭などでポストを失った。台北市長選は、無所属現職の柯文哲氏(59)と国民党新人の丁守中氏(64)の大接戦となり、夜中まで開票が続いた。
蔡総統は選挙戦を通じ、「投票で改革への支持を示してほしい」などと訴えたが、改革に対する有権者の不満が予想以上に大きかったことが示された。
一方の国民党は、直轄市長選で高雄と台中のほか、台北に隣接する新北を奪取し、県市全体では選挙前の6から倍増させ、大きく躍進した。同党は、4年前の前回統一地方選、16年の総統選と続いた大敗から復活を遂げ、党勢回復に弾みをつけそうだ。