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政策金利が中立に近い-アトランタ連銀総裁
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現段階では慎重で辛抱強くなることを勧める-ダラス連銀総裁
米地区連銀総裁2人が6日、経済的不確実性の高まりや最近の金融市場のボラティリティー上昇を受けて金融政策に慎重さを呼び掛けた。
米金融当局者の中でハト派寄りのアトランタ連銀のボスティック総裁とダラス連銀のカプラン総裁は、政策を慎重に進め今後のデータを注視する必要性を強調した。
ボスティック総裁は6日にジョージア大学主催の経済見通しに関する昼食会で、「私は現時点で、中立に声の届く範囲内にわれわれはあると思う。中立はわれわれが求める水準だと私は考えている」と述べた。カプラン総裁は経済専門局CNBCとのインタビューで、「現段階では、ずっと慎重で辛抱強くなることを勧める」と語った。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、政策金利が連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の間で中立と考えられる予想レンジに近づいているとし、来年は今後のデータを踏まえて慎重に動く姿勢を示した。12月18、19両日開催のFOMCでは今年4回目となる0.25ポイント利上げが予想されているが、市場に織り込まれたその確率は70%をやや下回っている。
株式相場が急落し10年債利回りが3%を割り込む中で、2019年の政策引き締めの確率は急低下しており、投資家が予想する来年の利上げ回数は1回未満と、9月のFOMC予測に示された3回を下回っている。
今年のFOMCで投票権を持つボスティック総裁は、「米経済は国際貿易の緊張や世界経済の減速の可能性、最近の金融市場のボラティリティーなど成長を鈍化させかねない不確実性の高まりに見舞われている」と述べた。同総裁はここ数カ月、米国債で長短金利が逆転する可能性に懸念を示していたが、6日の発言の中では言及しなかった。
原題:Two Fed Officials Urge Patience Amid Rising Economic Uncertainty(抜粋)