7日、ドイツ北部ハンブルクで開かれた与党キリスト教民主同盟(CDU)の党大会で演説するクランプカレンバウアー氏(AFP時事)

 ドイツのメルケル首相の後継者として、中道右派与党キリスト教民主同盟(CDU)の新党首に選ばれた。人口100万人の小州ザールラント州首相から、メルケル氏により今年2月に幹事長に抜てきされたばかり。女性幹事長という共通のキャリアからも「ミニ・メルケル」と呼ばれる。
 CDUの党勢が衰える中、昨年の州議会選で圧勝した手腕を買われ、メルケル氏に見いだされた。党首選では「党内融和」を掲げ、対立候補も人事で重用する方針を表明。理性的で敵をつくらないことを重視する姿勢は、メルケル氏に通じるものがある。
 ただ、メルケル氏の求心力が低下しているだけに「私は56歳で、3人の成人した子供がいる。『ミニ』ではない」と、同一視されることには慎重だ。政策面でも、メルケル氏が主導した寛容な難民政策への批判を念頭に、治安向上を重点課題に掲げるなど、より保守的な姿勢を示す。国政経験は少なく、外交手腕も未知数だ。(2018/12/08-07:40)