【ハンブルク(ドイツ)時事】ドイツ中道右派与党のキリスト教民主同盟(CDU)は7日、北部ハンブルクで党大会を開き、党首を退くメルケル首相(64)の後継に、メルケル氏に近い女性のクランプカレンバウアー幹事長(56)を選出した。反メルケル派の支持を集めたメルツ元下院院内総務(63)との接戦を制しての当選で、メルケル氏の穏健な中道路線継続を、党が選んだ形だ。
クランプカレンバウアー氏は当選を決めた後「信頼に感謝する。すべての党員とともに、中道を守る」と勝利宣言を行った。
党首選にはこのほか、メルケル氏に批判的なシュパーン保健相(38)も出馬していた。
クランプカレンバウアー、メルツ両氏とも中道保守で、欧州の結束や治安向上などを掲げる点は共通だ。ただ、クランプカレンバウアー氏は「党内融和が最重要」と対話重視の穏健姿勢を強調した。
メルツ氏は2009年に1度政界を引退し、10年近く弁護士として財界で活動していた。アウトサイダーとしての立場から「党の刷新」を主張し、18年続いたメルケル体制に不満を持つ層にアピールしてきた。
選挙は、CDU地方組織などが選出した代表人1001人の投票で実施。メルケル氏は21年の任期満了か、次回総選挙時点で首相も辞任する方針で、新党首は次期首相候補ともなる。
メルケル氏は10月の2州議会選で与党が連続して大敗した責任を取り、同月末に党首からの辞意を表明していた。この日行った党首としての最後の演説では「新たな章を始める時だ」と強調。終了後、会場を埋めた党員から約10分間のスタンディングオベーションを受けた。(2018/12/08-09:28)