アメリカ政府は、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の側近のチェ・リョンヘ(崔竜海)副委員長ら3人の高官が、深刻な人権侵害や検閲に関わっているとして、制裁を科すと発表しました。
アメリカ財務省は10日、北朝鮮の3人の高官が国内での深刻な人権侵害や検閲に関わっているとして、アメリカ国内の資産を凍結するなどの制裁を科すと発表しました。
制裁を科されるのは、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の側近のチェ・リョンヘ副委員長や、党の宣伝扇動部長を務めるパク・クァンホ副委員長など3人です。
ムニューシン財務長官は声明で、「北朝鮮の人権侵害や検閲、国民に対する抑圧は体制による残忍なもので、3人はそれを指揮した」と非難しています。
また、今回の制裁は、北朝鮮に1年以上拘束されて去年死亡したアメリカ人大学生のオットー・ワームビアさんに対する北朝鮮の残忍な行為も再認識させるものだとしています。
トランプ大統領は、来年1月か2月に2回目の米朝首脳会談を開く考えを示していますが、北朝鮮は経済制裁の緩和などを求め、非核化に向けた協議は進んでいません。
ことし6月の米朝首脳会談のあとアメリカが、人権侵害などを理由に北朝鮮の高官に制裁を科すのは今回が初めてで、北朝鮮がいらだちを募らせることも予想されます。