[ニューヨーク 10日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、英国のメイ首相が11日に予定していた欧州連合(EU)離脱案の議会採決を延期すると発表したことで、英ポンドが1年8カ月ぶりの安値を付けた。
メイ首相は「もしあす投票に踏み切れば、離脱案は大差で否決される。したがって現時点で議会の分裂を助長しないよう、あすの投票を延期する」と表明。前日になって採決が延期されたことで、合意なしの離脱、ぎりぎりになっての合意、離脱の是非を問う国民投票の再実施などの可能性が台頭した。ただトゥスクEU大統領は、離脱合意案の再交渉は行わないと表明している。
テンパス(ワシントン)のシニア外為トレーダー、ジュアン・ペレス氏は「英ポンドは過去2年間にわたり解決への期待に翻弄されながら緩やかに下落してきたが、ここに来て単一市場からの離脱は繁栄への道ではないことがはっきりとしてきた」と述べた。
英ポンドは対ドルGBP=D3で一時1.2507ドルと、2017年4月以来の安値を付けた。その後は1.41%安の1.2546ドルとなっている。
ユーロは対英ポンドで一時90.875ペンスと、3カ月ぶりの高値を更新。その後は1.06%高の90.475ペンスとなっている。
ただユーロはフランスでマクロン政権に反発する抗議運動が継続したことが重しとなり、ユーロ/ドルが0.23%安の1.13535ドル。アジア取引時間帯では1.14425ドルと、約2週間半ぶりの高値を付けていた。
ユーロを含む主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.74%上昇の97.232。前週は0.78%低下していた。
マニュライフ・アセットマネジメント(ボストン)のアソシエート・ポートフォリオマネジャー、チャック・トメス氏は「米連邦準備理事会(FRB)が向こう1年間で大きくハト派化するとの見方がやや後退した」としている。
ドル/円
NY午後3時 113.20/113.23
始値 112.64
高値 113.28
安値 112.61
ユーロ/ドル
NY午後3時 1.1352/1.1354
始値 1.1408
高値 1.1428
安値 1.1350