日産自動車の西川広人社長=横浜市西区の日産グローバル本社で2018年12月17日、藤井達也撮影

日産自動車と仏ルノー、三菱自動車の3社連合は18日、連合の統括会社があるオランダ・アムステルダムで定例会合を開いた。日産の西川広人社長は現地で会議に出席しており、ルノー暫定トップのティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)代理と会談する可能性がある。実現すれば連合を率いた日産前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)逮捕後初の両社トップ会談となる。

 会合は3社連合の事業運営などについて協議するもので、19日も行われる。三菱自の益子修会長兼CEOは日本からインターネット中継で参加した。

 日産とルノーのトップ会談が実現した場合、西川社長はゴーン容疑者らの不正を巡る日産の内部調査結果をボロレCEO代理に直接説明するとみられる。

 日産は10日のゴーン容疑者の起訴を受け、内部調査結果をルノー側に伝えた。しかしこの際、ルノーは弁護士を通すよう求め、日産の担当者がルノー取締役に直接説明することを拒んでいた。

 西川社長は17日の日産取締役会後の記者会見で、「不正の生々しい部分はなかなか(ルノーの)取締役一人一人に届いていない。機会があれば説明したい」と話していた。

 ルノーはこれまでのところ、「不正行為を認定するだけの十分な情報がない」としてCEOを務めるゴーン容疑者の解任を見送っている。西川社長は内部調査結果について「不正の重大性を共有していただくには十分すぎる」と強調した。

 日産は、ルノーから経営体制を巡る臨時株主総会の早期開催を求められたが拒否するなど、両社の駆け引きは激しさを増している。日産はゴーン容疑者解任の正当性をルノーに訴えることで、日産への関与を強めつつあるルノーの動きを封じたい考えだ。【松本尚也】