[ニューヨーク 19日 ロイター] -ヨーク外為市場では、ドルがほぼ全面安の展開。ただ、米連準備理事会(FRB)の利上げ見通しが予想ほどハト派的でなかったことから、ドルはこの日の安値からは戻している。

FRBは19日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に引き上げ。ただ、2019年の利上げ回数見通しは2回とし、9月に示した前回見通しの3回から引き下げた。

ドルは対円で7週間ぶり、対ユーロでは約1週間ぶりの安値をそれぞれ付けていたものの、FRBの決定を受け、下げ幅を縮小した。

FRBはFOMC声明で、米経済と労働市場が引き続き堅調に推移しているとした上で、「いくらかのさらなる段階的な」利上げが必要になるとし、前回の声明から文言を若干修正した。

フィッチ・レーティングスの首席エコノミスト、ブライアン・コルトン氏は「『いくらかの』という表現が加わったが、なお一段の段階的な利上げを継続するというコミットメントを得たことになる。多くの市場参加者は、段階的な利上げ継続の文言が全てなくなると想定していた」と述べた。

FRBが2019年の米経済成長率予測を2.3%とし、前回の2.5%から引き下げことについては、コルトン氏は「極めて小幅」との見方を示した。また、テンパスのシニア為替トレーダー、フアン・ペレス氏は、利上げは投資家への「リターン拡大」を意味すると指摘。同時に「年末にかけてドルの振れが激しくなることを想定しているが、FRBが警戒姿勢を強めていることを示せば、ドルは下落トレンドとなるだろう」と述べた。

終盤の取引で、ドル/円は0.2%安の112.36円。ユーロ/ドルは0.2%高の1.1382ドル。イタリアが2019年予算案を巡り、欧州委員会と合意に達したとのニュースはユーロへの追い風となった。主要6通貨に対するドル指数は0.2%安の96.940。

ドル/円 
NY午後4時 112.58/112.60
始値 112.32
高値 112.63
安値 112.09

ユーロ/ドル 
NY午後4時1.1373/1.1374
始値 1.1404
高値 1.1440
安値 1.1365