【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央テレビなどが1日伝えた金正恩朝鮮労働党委員長の「新年の辞」の演説要旨は次の通り。

 ◇対米関係
 朝米の新たな関係を樹立し、朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制を構築し、完全な非核化に進むことは、わが党と政府の不変の立場であり、私の確固たる意志だ。
 われわれは既に、これ以上核兵器を製造したり、試験したりせず、使用も移転もしないと内外に宣言し、さまざまな実践的措置を取ってきた。
 われわれの主導的で先制的な努力に米国が信頼性のある措置を取り、相応する実践行動で応じるなら、両国関係は速いスピードで前進するだろう。一日も早く過去にけじめをつけ、新たな関係樹立に向かって進んでいく用意がある。
 私は6月、米大統領と会い、有益な会談を行い、互いの懸念と複雑な問題解決の方法について認識を共にしたと考えている。いつでも再び米大統領と向かい合う準備ができており、国際社会が歓迎する結果を出すため努力する。
 だが、米国が自らの約束を守らず、わが人民の忍耐心を誤認し、一方的に制裁と圧力に出れば、やむを得ず自主権と国家の最高の利益を守護し、朝鮮半島の平和と安定を実現するための新しい道を模索せざるを得なくなるだろう。

 ◇南北関係
 (昨年)採択された「板門店宣言」と「9月平壌共同宣言」、北南軍事分野の合意書は、事実上の不可侵宣言で、重大な意義を持つ。
 さまざまな障害や難関を克服し、鉄道や道路、山林、保健などの分野の協力事業を推進し、民族の共同繁栄に向けた有意義な第一歩を踏み出した。驚異的な成果が短い期間に実現したことを大変、満足に思う。
 新年には北南関係の発展と平和繁栄、祖国統一に向け、より大きな前進を成し遂げなければならない。
 北南が平和繁栄の道に進むことを確約した以上、朝鮮半島の緊張の根源となっている外部勢力との合同軍事演習をこれ以上許容してはならず、外部からの戦略資産をはじめとする戦争装備の搬入も完全に中止しなければならないというのがわれわれの主張だ。
 休戦協定の当事者らとの緊密な連携の下に朝鮮半島の現在の休戦体制を平和体制に転換するための多国間交渉も積極的に推進し、恒久的な平和保障の土台を実質的に整えなければならない。
 われわれは何の前提条件や代価もなしに、開城工業地区(団地)と金剛山観光を再開する用意がある。わが民族の和解と団結、統一の行く手をさえぎる外部勢力の干渉と介入を絶対に許さない。(2019/01/01-16:44)