【ソウル時事】海上自衛隊のP1哨戒機が韓国駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受けた問題で、韓国国防省は4日、日本の主張に反論するために作成した動画を公開した。この中で、「クァンゲト・デワン艦(韓国駆逐艦)は、日本の哨戒機に向け射撃統制追跡レーダー(STIR)を照射しなかった」と重ねて否定。「哨戒機は、人道主義的救助作戦中の艦艇に対し、非紳士的な偵察活動を続け、救助作戦を妨害する深刻な威嚇行為をした」と非難した。
韓国国防省の崔賢洙報道官は記者会見し、日本に対し、「事実歪曲(わいきょく)」の中止と「低空飛行」への謝罪を改めて要求した。韓国側が本格的な反論に踏み切ったことで、日本との対立がさらに深まるのは必至だ。
公開動画は4分26秒の長さで、日本の防衛省が公表した哨戒機撮影の映像を使用。韓国海洋警察が撮影した哨戒機の飛行映像も含まれている。
哨戒機の飛行高度(150メートル)は国際法的に問題なかったとする日本の主張に対し、「国際民間航空機関(ICAO)の規定は軍用機には適用されない」として、「日本は国際法を恣意(しい)的に歪曲し、解釈している」と反論。「日本はこの事案を政治的に利用せず、実務協議を通じた事実確認手続きに入るべきだ」と訴えた。
韓国政府は3日の国家安全保障会議常任委員会で、この問題を話し合い、「正確な事実関係に基づき、必要な措置を講じる」ことを決めた。韓国紙は、知日派の李洛淵首相が2日に開かれた内部会議で、同問題などに関し、積極的対応を指示したと伝えている。
◇韓国動画字幕の主な内容
韓国国防省が4日公開した動画の字幕の主な内容は次の通り。
一、日本の哨戒機はなぜ、人道主義的救助作戦の現場で低空、威嚇飛行をしたのか?
一、日本は国際法を順守したと主張しているが、果たして事実だろうか?
一、クァンゲト・デワン艦(韓国駆逐艦)は日本の哨戒機に向け射撃統制追跡レーダー(STIR)を照射しなかった。
一、日本の哨戒機の通信内容は明確に聞こえなかった。
一、日本は威嚇的な低空飛行について謝罪しなければならない。
一、日本はこの事案を政治的に利用せず、実務協議を通じた事実確認手続きに入るべきだ。(2019/01/04-17:34)