[ニューヨーク 4日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、朝方発表された堅調な米雇用統計を好感してドルが値上がりしたものの、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言で上値の重い展開とな った。
昨年12月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が31万2000人増と10カ月ぶりの大幅な伸びを記録した。時間当たり賃金も前月比0.4%増と、前月の0.2%増か ら伸びが加速。労働参加率は17年9月以来の水準に上昇した。
こうした中、パウエル議長は討論会でFRBとして忍耐強く臨むとともに、経済の勢いが堅調であっても市場が織り込む下振れリスクに対して敏感であるとの認識を示した。また将来の利上げやバランスシート縮小を巡って柔軟に対応すると明言。世界経済の減速から貿易戦争に至るまであらゆるリスクを考慮しつつ、好調な経済統計との均衡を図る考えを明らかにした。
クレディ・アグリコル(ニューヨーク)のFXストラテジスト、エリック・ビロリア氏は「迅速かつ柔軟に政策変更を行う用意があるとの発言でリスク選好が広がった。全般的に議長のトーンは慎重でこれがドルに影響した」と述べた。
ドルは対ユーロで0.09%安の1.1401ドル。一時1.1347ドルま
で値上がりする場面も見られた。対円では0.7%上昇した。
中国商務省は米中次官級の通商協議を7─8日に北京で行うと発表。ゲリッシュ米通商代表部(USTR)次席代表が率いる作業グループが訪中し中国側と「前向きで建設的な協議」を行うと明らかにした。USTR側もホワイトハウス高官や農務、商務、エネルギー、財務各省の次官らが出席すると確認した。これを受け市場心理が上向いたという。
豪ドルは1.6%高。新興市場国通貨は大半が値上がりし、南アランドZAR=D3やトルコリラがそれぞれ2%強上昇した。カナダドルは3日続伸。
ドル/円
NY終値 108.52/108.54
始値 107.98
高値 108.58
安値 107.97
ユーロ/ドル
NY終値 1.1393/1.1397
始値 1.1411
高値 1.1418
安値 1.1347