[北京 8日 ロイター] – 中国の農業農村省は8日、農産物輸入拡大を求める米国からの圧力が増す中、5件の遺伝子組み換え(GM)農作物について輸入を約1年半ぶりに承認したことを明らかにした。 

今回輸入を承認したのは、バイエル(BAYGn.DE)がもともと開発し、現在はBASF(BASFn.DE)が保有するRF3キャノーラ、モンサントのグリホサート耐性MON88302キャノーラ、ダウ・デュポン(DWDP.N)のDP4114コーンやDAS─44406─6大豆、シンジェンタ(SYENF.PK)などが開発したSYHT0H2大豆。 

中国は世界最大の大豆輸入国で、その他の穀物も主要な輸入国。しかし、米国とのハイレベル協議を受けて2製品を承認した2017年7月以降は、いかなる遺伝子組み換え作物(GMO)製品の輸入も承認していなかった。 

中国はGM農作物の栽培を認めていないが、大豆やコーンといったGMOの輸入を飼料向けに認めている。 

ダウ・デュポンの農業部門コルテバ・アグリサイエンスは「中国で種子に関する規制当局の承認が進んでいることをうれしく思う」と述べた。 

またバイエルは声明で、承認を歓迎するとした上で、「これらの製品の多くは長年にわたって中国の規制プロセスに縛られていたほか、他の製品は承認されていない。これは、中国の規制プロセスにおいて継続的な改善が必要であることを浮き彫りにしている」と指摘した。 

上海JCインテリジェンスのチーフアナリストは「中国が新たにGM農作物を承認したことにより、将来的には中国が大量に米国産大豆を輸入することが可能になる。これは前向きなシグナルだ」と述べた。