[ニューヨーク 9日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが下落。昨年10月以来の安値を付けた。米中通商協議に対する楽観的な見方を背景に安全資産への 投資が後退しているほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨がハト派的な内容だったことが重しとなった。

米連邦準備理事会(FRB)が9日公表した昨年12月18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、多数のメンバー が将来の利上げに忍耐を持つことが可能と表明していたことが判明した 。

FXストリート・ドット・コム(ニューヨーク)のシニアアナリスト、ジョセフ・トレヴィザニ氏は「FRBが利上げ見通しを再び活発化させるのはおそらく年半ばになるだろう」との見方を示した。9日まで延長された米中通商協議も原油高やセンチメント改善につながった。

TDセキュリティーズ(ニューヨーク)のシニア外為ストラテジスト、メイゼン・イッサ氏は「前四半期のようにネガティブな状況にならなければ、3月1日の交渉期限までに妥結しないとしても何かしらの進展があったとみられるだろう。見通しに対するダウンサイドリスクが低下するというだけで、ささやかながら楽観的な見方が広がる」と述べた。

午後の取引でドル指数は0.8%安の95.207。序盤には3カ月ぶりの安値を付けた。ユーロは0.8%高の1.1537ドル。約3カ月ぶりの高 値水準を回復した。取引序盤には予想外にマイナスとなったドイツの11月貿易収支や2014年11月以来の低水準に落ち込んだ仏消費者信頼感指数を受け、下落する場面もあった。

ポンドは0.6%高の1.2795ドル。スイスフランは対ドルで9月下旬以来の高値を付けた。ドル/円は0.6%安の108.15円。

石油価格の上昇などを背景にコモディティー通貨も上昇。豪ドルAUD=は0.6%高の0.7178米ドル。月初に付けた約10年ぶりの安値から切り返している。

ドル/円 
    午 後4時 107.99/108.02
始値 108.91
高値 108.93
安値 107.98
ユーロ/ドル 
NY午後4時 1.1552/1.1556
始値 1.1454
高値 1.1554
安値 1.1447