[ワシントン 10日 ロイター] – パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は10日、安定的な物価指標を踏まえ、FRBは金融政策に忍耐強くなれるとの認識を示した。保有資産を大きく縮小する方針も表明した。 

この方針を受け、発言当初は押し上げられていた株価は伸び悩んだ。 

パウエル議長は首都ワシントンのエコノミック・クラブで、「とりわけインフレが低く抑制されている中で、われわれは忍耐強くなれるし、根気よく注意して見守ることが可能だ」と言明。好調な経済指標と市場のリスク懸念という2つの側面を見極める考えを明らかにした。 

現在のところ、景気後退の可能性が強まったことを示す材料はないとした。 

FRB当局者が予想する今年の利上げ回数が中央値で2回である点については「そうした計画は存在しない」と指摘。「それは今年の見通しが非常に好調だった場合の話だが、実現の可能性はまだある」とした。 

「特に現時点では、あらかじめ決められた金利の道筋があるわけでない」「(世界成長が一段と鈍化すれば)柔軟、迅速に政策を展開することは可能だと約束できる」と述べた。 

バランスシートについて「現在(規模)よりもかなり小さくなる」と述べつつ、着地地点はまだ不確かとの認識を示した。 

また、一部政府機関の閉鎖が長引けば、経済指標に影響が「非常に早く」表れるほか、統計を発表する一部機関が閉鎖しているため、景気が認識しにくくなるとした。