中国の大連市中級人民法院(地裁)は、覚醒剤密輸の罪に問われたカナダ人の男に死刑を言い渡した。華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)の逮捕を発端とした中国とカナダの緊張は、いっそう高まりそうだ。

中国の大連市中級人民法院Photographer: Liu Debin/VCG via Getty Images/Visual China Group

  同法院のウェブサイトに掲載された発表文によると、死刑判決を受けたのはロバート・ロイド・シェレンバーグ被告。同被告は当初、懲役15年の刑を言い渡されたが、刑が軽すぎるとの検察の主張が認められ、審理が差し戻されていた。判決までの審理は1日だった。被告は死刑判決に対し、上訴することが可能。

  カナダのトルドー首相は14日、オタワで記者団に対し、「中国が法の恣意(しい)的な適用の開始を選んだことに対し、カナダ政府全体として極めて懸念している。われわれの友好国や同盟国にとっても同じはずだ」と述べた。

  大連市中級人民法院によると、シェレンバーグ被告は覚醒剤222キログラムの密輸に関与。昨年11月20日の当初判決では共犯者だったとされていた。

原題:China Court Sentences Canadian Man to Death on Drug Charges (1)(抜粋)