[ニューヨーク 16日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロが対ドルで軟調。域内経済を巡る根強い不安が相場の下押し要因となった。またポンドはしっかり。この日、メイ首相は内閣不信任案を乗り切り、続投が決まった。 

ユーロ/ドルEUR=は0.22%安の1.139ドル。一時12日ぶり安値となる1.138ドルを付けた。 

昨年の国内総生産(GDP)成長率が5年ぶりの低い伸びにとどまる中、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は15日、ユーロ圏経済はリセッション(景気後退)に向かっていないものの、減速期が予想よりも長引く可能性があるため、ECBによる支援が引き続き必要との見解を示した。

ウエスタン・ユニオンのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「ユーロ圏の見通しがさえないことはドラギ総裁も認めている」とした上で、「ECBが今年金融政策の正常化に踏み切れない可能性は一段と強まっているようだ」と指摘した。 

こうした中、英議会はこの日、メイ内閣に対する不信任案を賛成306、反対325で否決し、メイ首相は続投することが決まった。メイ首相は離脱案で妥協点を探るため広範な議会指導者らと協力することを約束。ただ議会の理解を得られる案をまとめられるかは不透明だ。

ある市場関係者は「メイ氏が不信任案を乗り切ったことで、市場の反応はそれほど見られていない。今後については先が読めない」と述べた。 

ポンドは対ユーロEURGBP=で0.29%高の88.47ペンス。投票前の88.65ペンスから値上がりし、2カ月ぶり高値となる88.40ペンスに迫った。対ドルGBP=では1.287ドル。前日は2カ月ぶり高値となる1.293ドルを付けていた。 

ドル/円 
NY終値 109.08/109.11 
始値 108.84 
高値 109.19 
安値 108.69 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1397/1.1402 
始値 1.1376 
高値 1.1412 
安値 1.1377