- メイ首相が呼び掛ける超党派の議論には応じず
- 政府は超党派の議論で国民投票巡る調査を開示、実行不可能と説明
英野党・労働党のコービン党首は17日、欧州連合(EU)離脱の是非を問う再度の国民投票実施について、これまでで最も強い支持を表明した。与党・保守党の少数グループも国民投票の再実施を支持する用意があるとされる。こうした動きを受けて、ポンドは2カ月ぶりの高値に上昇した。
コービン党首はイングランド南東部ヘースティングスで聴衆に対し、「労働党の対案に対する支持が阻止されるのであれば、国民投票を含む別の選択肢を模索するのがわれわれの義務だ」と言明した。メイ首相は超党派の協議を呼び掛けているが、同党首は参加しない意向。これについては、首相が合意なしの離脱を否定していないため、首相の言葉は「たわ言」で「人目を引こうとしているだけ」だと批判した。
国民投票が再び行われた場合、EU残留への支持が高まっている結果が明らかになる可能性がある。国民投票の再実施を求める団体の集合体「ピープルズ・ボート」が引用した最新のユーガブ調査によると、残留が離脱を12ポイント上回り、前回の国民投票以降で最も残留の優位を示した。ユーガブは1000人余りを対象に調査した。
一方、メイ首相の報道官によると、政府はこの日開催したEU離脱を巡る超党派の会合で2回目の国民投票に関する政府の調査を開示。国民投票実施までに1年以上の時間がかかると説明したという。国民投票のやり直しは実行不可能だと示す狙いがあったとみられる。
メイ首相はコービン党首が突き付けた会談の前提条件は「不可能」だと指摘。「合意なしの離脱可能性を排除しろというのは不可能な条件だ。政府の力が及ぶところではないからだ」と語った。
原題:May Urges Corbyn to Drop ‘Impossible’ Demand: Brexit Update(抜粋)
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