[ロンドン 21日 ロイター] – メイ英首相は21日、議会に欧州連合(EU)離脱代替案を示した。アイルランド国境の税関検査回避に向けた案でEU側から一段の譲歩を求める。承認された代替案がないとして、「合意なき」離脱の可能性は排除できないとした。
ポーランドが、アイルランド国境問題の安全策に期限を設けるよう提案したことを受け、検討に前向きな考えも示した。
安全策修正を巡る合意を目指し、議会により柔軟な姿勢で臨むと明言した。
その上で、話し合いの結果をEUに伝えるとし、「EUとの離脱合意に対する下院の支持確保に向けて、必要なことに集中し続ける」と述べた。
離脱計画がない状態で、EUが基本条約(リスボン条約)50条の離脱通知に定めた離脱日を延期する公算は小さいとの認識を示した。
国民投票を再実施すれば、国内分裂派を勢いづかせるほか、民主主義への信頼が損なわれて社会的な結束に悪影響を及ぼす可能性を指摘した。
ポーランドのチャプトヴィチ外相は21日、アイルランドの国境管理強化を回避する安全策について、5年を上限とする提案を行ったと明らかにした。
メイ氏は議会で、この提案について聞かれ、詳細な検討に前向きな姿勢を示した。
チャプトヴィチ外相はその後、同案についてアイルランドのコベニー外相と英国のハント外相と協議したと明かし、一つの解決策になると思うと指摘。
これに対しコベニー外相は、チャプトヴィチ氏が昨年12月に同案を示したとし、「保険的な制度に時間的な期限を設けるのは、安全策ではないことを意味すると極めて明確にした。離脱合意を巡るEUの考え方を反映しているとは思わない」と否定的な見解を示した。