[ニューヨーク 22日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが対円で下落。世界成長減速見通しや米中貿易問題を巡る懸念からリスクオフ取引となり、安全資産とされる円の買いが膨らんだ。
国際通貨基金(IMF)が前日、2019年と20年の世界経済成長率見通しを下方修正したことはドル売りを誘った。IMFは貿易摩擦が解決されなければ、鈍化しつつある世界経済を一段と揺るがしかねないとの認識を示した。
さらに、トランプ米政権が中国が提案した通商予備協議の週内開催を拒否したとのフィナンシャル・タイムズ(FT)の報道を受け、ドル売りに拍車がかかった。
朝方発表された昨年12月の米中古住宅販売戸数が約3年ぶりの水準に落ち込み、住宅価格の伸びが大幅に減速したこともドルへの圧迫材料となった。終盤の取引で、ドル/円JPY=は0.41%安。
クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、エリック・ビオリア氏は「IMFの見通しは世界成長懸念を煽り、米中通商協議を巡る報道を受け楽観的な見方は後退した。米政府機関一部閉鎖の継続もセンチメント押し上げの助けにはなっていない」と指摘。「これら3つの要因がリスクオフ取引につながっている」と述べた。
リスク回避の動きを反映し、豪ドルAUD=は米ドルに対し0.45%安の0.7126米ドル。 ユーロ/ドルEUR=は3週間ぶり低水準近辺で推移。1月の独ZEW景気期待指数は予想に反して小幅上昇したものの、現況指数は4年ぶりの低水準に悪化し、強弱入り混じる結果となった。
ドル/円
NY終値 109.36/109.39
始値 109.44
高値 109.47
安値 109.15
ユーロ/ドル
NY終値 1.1358/1.1360
始値 1.1358
高値 1.1374
安値 1.1336