[ニューヨーク 23日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対主要通貨バスケットでやや下落した。貿易問題や世界経済を巡る不透明感が広がって短期のドル相場見通しを圧迫、狭いレンジ取引となった。

米政府機関の一部閉鎖も投資家の不安を強めた。ドル指数は0.19%安の96.119。直近2週間に1%近く上昇している。

シリコンバレー銀行のトレーダーは「貿易を巡る摩擦や緊張、(米政府機関)閉鎖や 、今年の世界成長を巡る観測が飛び交う中、明確な方向感が得られるようになる前に、こうした要因を消化する必要がある」と指摘。「いずれかの方向に過剰な期待を抱くことに 、投資家はやや慎重になっている」と話した。

モルガン・スタンレーの世界為替戦略部門責任者は顧客向けリポートで「9日に付けた安値からのドル反発も終わったようだ。特に住宅や企業投資など金利に敏感とされる部門で、米景気指標が脆弱さを示しているからだ」と分析した。

日銀が刺激策を維持したことを受け、ドルは対円で0.2%上昇した。日銀は、1月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で物価見通しを引き下げ
た。黒田東彦総裁は「米中の経済摩擦や欧州の要因などが海外の下方リスクをやや高めているのは事実」などと指摘した。前出のシリコンバレー銀トレーダーは「日銀は、インフレ・成長リスクが下向きと認めつつある」と話した。

英ポンドは10週間ぶりの高値を付けた。野党労働党が、無秩序な合意なき欧州連合(EU)離脱回避に向けた議員の取り組みを支持すると表明した。

為替トレーダーは24日の欧州中央銀行(ECB)理事会に注目。ユーロ圏経済への脅威増大を認めるとみられている。

ドル/円 
     NY終値 109.59/109.61
始値 109.64
高値 109.99
安値 109.40

ユーロ/ドル 
     NY終値  1.1380/1.1382
始値 1.1363
高値 1.1396
安値 1.1351