24日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対ドルで下落し、昨年12月中旬以来の安値を付けた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が成長へのリスクは下方向に転じたと発言したことが響いた。ドルは主要通貨の大半に対して上昇した。

  ドラギ総裁の発言からは、ECBが今年、金融危機の時期に導入した景気刺激策の解除に一段と慎重になる可能性が示唆された。同総裁は地政学的な不透明感が続くとの認識も示した。

  独紙ハンデルスブラットは、ドイツ政府が今年の同国成長率見通しを1.8%から1.0%に引き下げたと報じた。世界経済の成長鈍化や英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不確実性を理由に挙げているという。

  米上院は共和、民主両党が主導する各予算案を審議したが、採決には至らず、政府機関閉鎖が継続することになった。

  ロス米商務長官は米国と中国は貿易戦争の終結を強く願っているが、結末がどうなるかは中国が経済改革を深化させ、市場を一段と開放するかどうかにかかっているとの認識をブルームバーグテレビジョンのインタビューで示した。同長官はこれより先、CNBCとのインタビューでは貿易戦争の終結への期待をけん制した。

  ニューヨーク時間午後4時51分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇。ドルは対円ではほぼ変わらずの1ドル=109円61銭。ユーロはドルに対して0.7%下げ、1ユーロ=1.1305ドル。

欧州時間の取引

  ユーロが下落。マークイットが発表したフランスの1月の総合購買担当者指数(PMI)が市場予想に反して低下し、この4年余りの最低水準となった。ドラギECB総裁の記者会見での発言がハト派的トーンになるとの見方も材料だった。

原題:Euro Sinks as Draghi Acknowledges Downside Risks: Inside G-10(抜粋)Euro Drops Before ECB as PMI Poses Forecast Risks: Inside G-10(抜粋)